映画『ボヘミアン・ラプソディー』は何故これほどヒット出来たか?

11月に公開され多くの方が劇場でご覧になった映画『ボヘミアン・ラプソディー』ですが、遂に全米での音楽伝記映画カテゴリーで興行収入歴代1位に輝きました。

ソース元:https://www.boxofficemojo.com/genres/chart/?id=musicbio.htm

米フォーブス誌の報道では全世界で5億3900万ドル(約613億円)年内には6億ドルを突破する予想もされているそうです。

 

 

何故これほどヒットする事が出来たのでしょうか?

全くのド素人な私ですが個人的に分析してみたので記事にしたいと思います。

尚まだ観てない方はこの記事の内容は見る人によってはネタバレだと感じる内容があるかもしれませんのでスルーして頂きよろしければこの映画を紹介した前記事をご覧ください。

映画『ボヘミアン・ラプソディー』は魂が揺さぶられる傑作

成功した理由は?

一言で言ってしまえば映画としての完成度が高いだとは思いますが、色々な条件が集まっての完成度の高さだと思いますから順に説明していきたいと思います。

まずはQUEENやフレディ・マーキュリーを詳しく知らなくても楽しめる内容であること。

知名度の高いQUEENを題材としたことで多くの方が知っている楽曲が劇中流れます。

フレディ・マーキュリーやバンドメンバーを詳しく知らなくてもQUEENの楽曲は知っている、もしくは聞いたことがある人は多いと思います。

私もQUEENの有名楽曲はほぼ分かりますが、フレディ・マーキュリーやブライアン・メイ、ロジャー・テイラーについては全く詳しくない。ですが本編を観ている時は楽曲の力によりライブエイドが行われた当時を疑似体験したような懐かしい気持ちになりました。

私みたいな何となく知っている層が上手く集客され、ガッツリ心に刺さる、そんな効果があるのではないでしょうか?

ブライアンとロジャーは企画段階でフレディが残した作品やイメージを傷つけられることにとても神経質に警戒していたと何処かで拝見したのですが、映画の内容はどちらかと言えば重い内容。しかし鑑賞するにあたっての年齢制限はなく、それが幅広い客層を集客出来ていることに大きく貢献しているとも言えます。

この映画をきっかけにQUEENのファンになる方もきっといるはずで、サントラやCD、関連商品のセールスも好調のようです。

逆にコアなファンには厳しい意見が多い印象です。

理由は事実と異なる内容がある為ですが、映画という限られた時間内での都合上仕方ないことだと私は解釈しました。

 

ストーリーの完成度

テーマは一つに絞るなら家族愛だと思いますが、人種の問題や成功の裏での孤独感等、容姿のコンプレックス。フレディ・マーキュリーの半生ですから様々な問題にぶち当たります。

劇中に何度も「バンドは家族だ。」と発言するシーンがあり、両親も家族であり、最後までフレディを支えたメアリーやジム・ハットンも同様である。

本編の最初から様々な伏線が引かれ、クライマックスのライブエイドで回収する、そういった形がきちんと作られているからこそ見ごたえのある作品になっており観た人に感動を与えることが出来るのだと思います。

事実と異なる内容や脚色された部分は時間の都合とゴール地点がライブエイドと決まっているための仕様だろうと私は思いますが、結果それによって物語の質は上がり映画としての成功に影響していると言えるでしょう。

キャスティングやキャストの演技の高さは前記事でも触れていますので今回は詳しくは触れませんが私は大変素晴らしと感じました。

この映画の売りでもある感動のラスト21分は本当に素晴らしいですが、様々な工夫がされており制作サイドの努力が見られます。

感動のラスト21分は実は21分ではない。

予めご説明しますが、私はこの21分でない事を批判は全くしておりません。むしろ凄いと感心しております。

スタジアム全体の75000人の観客とピアノ上の小物までオリジナル映像そのままにと言っていいほど細部まで再現されており圧巻です。

実際のライブエイドの記録映像は20分強の尺であり映画ボヘミアン・ラプソディーのライブエイドのシーンは13分半ほど。

オリジナルの映像と比較された方なら気がついた人もいると思いますが、「We Will Rock You」のシーンがまるっとカットされており、完全再現を謳うには矛盾を感じるかもしれません。

ですが実際観ている観客はそこに物足りなさを感じるどころかグッとライブエイドのシーンに引き込まれていきます。

「We Will Rock You」がカットされているのは尺の問題もあるかもしれませんが本編中に制作過程の秘話として既に触れているため不要と判断されたのではと思います。

尺が短くなった分は内容を凝縮し質を高め観客を感動させることに成功しているのですが、どのようにボリュームを持たせたのか?

出演者の演技力は本当に感動ものですが、オリジナル映像よりも遥かに多いショット数が使われており情報量が増えたことでボリューム不足を回避されております。

実際のライブエイドの記録映像ではほぼフレディのみを追ったカメラワークですが、バンドのメンバーや、ステージ端で観ているメアリーとジム・ハットンとマイアミの様子、スタッフの様子など実際にはないショットを多く使用されております。

ライブでは制限があり実際撮れないようなアングルも使用されより躍動感あるライブシーンになっているのではないでしょうか。

またスタジアム外の映像も使用されておりますが、当然そのような映像はオリジナルにはありせん。

バーで中継を観ている人達を映しているシーンは私達劇場で観ている観客に「同じ立場だよ、ライブエイドを体験しているんだよ。」と訴えかけています。

実家で中継を観ているお母さんのシーンはライブ前の約束が達成された事を強調されていますね?

あたかもQUEENの演奏中に募金の目標額が達成されたようなシーンはライブエイドの本来の目的であるチャリティーコンサートが成功したことを強調されています。

演奏合間でフレディが「EEEOOOOOO!!」と観客に投げかけますが、オリジナルより回数も多く強調された演出になっており、病院でファンらしき人物に投げかけられた時のアンサー的演出です。病院では小さく返すだけでしたがライブエイドでは力強くフレディから観客へ投げかけておりQUEENの完全復活を印象付ける演出だと解釈できますね。

バンドのメンバーやメアリー・オースティン、マイアミ・ビーチ、ジム・ハットン、両親や愛猫達、そしてスタジアムにいる人達のショットをふんだんに入れているのはそれまでに引かれた伏線をこのライブで一気に回収して映画としてのテーマ家族愛を強調し、観ている人達に達成感と感動を与えてくれます。

凝縮された情報が13分半に詰め込まれているので不足感や短くは感じないのではないでしょうか?

 

最後に

右肩上がりの興行収入らしいですが初週以降は比較的若い世代やリピーターの方も多いようです。

既にゴールデングローブ賞へのノミネートも決まっており、簡単ではないでしょうが、自分が夢中になった映画なのでアカデミー賞も個人的にはあげたいですね。

私は映画を評価するような立場ではありませんので点数を付けることはしませんが本当に映画『ボヘミアン・ラプソディー』は素晴らしい映画だと思います。

フレディ・マーキュリーは伝説が多すぎて本編内に彼の全てを表現など出来ないでしょうが、一度この映画を観て、フレディ・マーキュリーが好きになれたならば少しフレディ・マーキュリーがどんな感じの人物であったかを調べて改めて見直して観るとまた違った解釈ができ愉しめるのではないでしょうか?

私はメアリー・オースティンが気になり調べてみたら彼女は生涯に渡ってフレディ・マーキュリーを友人とて支えた訳ですが、それ以降は映画本編では描かれていないです。

フレディ・マーキュリーが亡くなる前に最後の願いとてメアリー・オースティンに亡くなった後に火葬された遺灰の埋葬場所を誰にも解らないようにして欲しいとお願いされていたそうです。

実際にメアリー・オースティンは自ら埋葬して現在までその埋葬先を誰にも話しておらず現在もフレディ・マーキュリーの埋葬先は謎のまま。

絶対の信頼関係にあったフレディとメアリーの素敵なエピソードですね。

フレディ・マーキュリーの残した莫大な遺産のほぼ全てをメアリーが相続し、現在も英国のどこかで暮らしているようです。

最後まで読んで下さった方、本当にありがとうございました。