11月9日から公開となった映画『ボヘミアン・ラプソディー』を早速観てきましたのでご紹介していきたいと思います。
この作品はもう説明不要であろう伝説のロックバンドQUEENのリードヴォーカル、フレディ・マーキュリーの半生を描いた伝記的な映画です。
その圧倒的な歌唱力とステージパフォーマンスでカリスマ的人気を得たフレディ・マーキュリー。
QUEENの元となるバンド「スマイル」に加わり、20世紀最大のチャリティーコンサート『ライブエイド』までの過程が描かれている訳ですが、そこにたどり着くまでの様々な困難や名曲誕生の瞬間が現QUEENのメンバーブライアン・メイ/ロジャー・テイラー協力によりドラマチックに描かれております。
大正解であろうキャスティング
フレディ・マーキュリーにラミ・マレック
ギターのブライアン・メイにグウィリム・リー
ドラムのロジャー・テイラーにベン・ハーディ
ベースのジョン・ディーコンにジョセフ・マゼロ
メアリー・オースティンにルーシー・ボイントン
この作品ではフレディ・マーキュリー役のラミ・マレックさんの演技がとても好評で絶賛されておりますが確かに素晴らしい演技です。
本編が始まって直後は「えっ、この人がフレディ役?」と思いましたがすぐに違和感は無くなり、髪を短くしてからのフレディは本当に憑依したかのような演技。
ピアノを弾く指の動きまで再現されているのではないかと思いますが、ラミさんだけではなく他のバンドメンバーも見た目が大変似ているだけではなくブライアンのギターを構えた時の姿勢まで本当に研究して演技されているように感じました。
映画の成功はキャストだけではないでしょうが、この作品に関してはまず見た目でグッと観客を引き付けると言う意味では俳優さんの力が凄く大きかったと感じました。
監督にはブライアン・シンガーがクレジットされておりますが完成までにあと2/3といったところで解雇されており後任にはデクスター・フレッチャーが起用され制作総指揮にクレジットされております。
見どころは?
まずはQUEENのキラー・クイーン/ ウィー・ウィル・ロック・ユー/地獄へ道づれまた本作のタイトルになっているボヘミアン・ラプソディなど28曲に及ぶ名曲がスクリーンで堪能できること、さらにそれらの名曲が誕生する過程が描かれているところでしょう。
特にボヘミアン・ラプソディは過程が丁寧に扱われています。
これらの名曲はQUEENに詳しくない人でも一度はどこかで耳にしているほどの名曲ですから曲が始まればテンションが上がることでしょう。
本作は単なるフレディ・マーキュリーの伝記映画ではなくブライアン・メイ/ロジャー・テイラー協力によってしっかりと物語が作りこまれており、冒頭では恋人のメアリー・オースティンとの関係、QUEEN結成に至る過程、スターダムに駆け上がりその後メンバーとの対立や両親との確執など人との関わりの上でのフレディの心情が描かれており、中身のしっかりある作品になっております。
この辺りはQUEENを知らない人でも楽しめる作りですし、知っている人ならば違う視点で解釈できるような作りだと感じました。
そしてなんと言ってもラスト21分のライブエイドは絶対の見どころです。
QUEEN史上最高のパフォーマンスと言われる20世紀最大のチャリティーコンサート『ライブエイド』は1985年7月13日行われました。
その模様をフレディの動きやカメラワークの細部まで完全再現されています。
歌声はフレディ本人のものですが圧巻のクオリティー、後日オリジナルを確認しましたがホントに凄い。
本編の始まりと、ライブエイドの始まりは同じシーンで描かれるいわゆる「ブックエンド方式」ですが実はライブエイドの始まりのシーンは少しだけ違い大事な部分です。
そして今更ですが本編が始まる前の20世紀FOXのタイトルのファンファーレ、ブライアン・メイとロジャー・テイラーによるオリジナルヴァージョンとなっておりました。(嬉しいサプライズ)
フレディ・マーキュリーについて
先ほども書きましたがフレディ・マーキュリーと言えば圧倒的な歌唱力とステージでのパフォーマンス、そして彼が生み出した数々の素晴らしい名曲を連想します。
私はリアルタイムでQUEENの絶頂期やライブエイドの盛り上がりをこの目で見ることが出来ませんでしたが、初めてボヘミアンラプソディーを聴いた時は「なんてハチャメチャな曲なんだw」と思ったのを記憶しています。
それをきっかけに他の曲を聴いてQUEENと言うバンドの魅力が理解出来ていくわけですが、当時は楽曲に魅力を感じてメンバーやフレディ・マーキュリーと言う生身の人間にはさほど魅力を感じてはおりませんでした。
理由としてはQUEENが来日し、ライブが行われたとしてもそれを観にいける環境になかったからかもしれません。(まだ子供であったため)
当時を思い起こせるような感覚がこの映画の魅力であり、私みたいに後から「人間フレディ・マーキュリーをもっと知りたい」と思う人にはその辺りもこの映画の見どころだと言えます。
成功の裏で両親との確執、メンバーから離れた時期、病気のことなどラミ・マレックさんの素晴らしい演技で観る者を感動させてくれます。
生涯フレディを友人として支えたとされるメアリー・オースティンとの関係も注目してくださいね。
これらの予備知識はこの映画公開にあたって様々なサイトで紹介されておりますが、実際この映画を見れば自然と入ってきます。
予め知っておく必要はありませんので安心して劇場で観てください。
個人的な感想
細かなところでメンバーとの出会い、メアリー・オースティンとの関係で事実と違いがあることを様々な場所で指摘するのを目にしますが、私の意見は「実に小さな問題ですw」
直接この作品の面白さや魅力には関係ありませんし、映画を観た後で詳細が気になればいくらでも知ることができます。
ラミ・マレックさんの演技ばかり評価されがちですが他のメンバーもかなり見た目も似ていますし、魅力ある演技だったと思います。もっと評価されて欲しいと感じました。
終始飽きてしまうような時間は無く、孤独感に襲われ苦悩する日々から立ち直りQUEENに帰還後のクライマックスまで感動のシーンは多数用意されており、ライブエイドの最後でMaxな感じです。
名曲がスクリーンで堪能できるので音響のいいシアターでもう一度観たいと思いました。
エンドロールも感動でき誰一人立ち上がりません。
この作品で得る感動はジワジワ来る感じで、帰りの車中はフレディが亡くなる前にメンバーに「残した音源でアルバムを作ってくれ。」そう言って託されたQUEENのメンバーが1995年にリリースしたアルバム「メイド・イン・ヘヴン」を聴きながら帰りました、天国のフレディの歌声に聞こえる。(涙)
伝説のバンドQUEENとフレディ・マーキュリーを既に知っている人もまだ知らない人も観れば魂が揺さぶられる映画『ボヘミアンラプソディー』は傑作です。
是非大きなスクリーンで観てきてくださいね。
そして映画を観てからライブエイドのオリジナル映像を確認してください、圧巻です。