映画『ジョーカー』悲劇を描いたエンタメとして傑作だ。

現在公開中の映画『ジョーカー』ですが日米同時公開前に第76回ヴェネチア国際映画祭では最高賞の金獅子賞を受賞し、本年度アカデミー賞も絡んでくるのではと注目度は高く、とにかく前評価が高すぎて実際に鑑賞した後ガッカリさせられるのではないかと若干心配しながら劇場に向かいました。

結論から言いますと、そんな心配は無用。

高すぎる前評価にも負けない内容の濃さであり、主演のホアキン・フィニックの演技は非常に素晴らしく絶賛されているのにも納得させられました。

これから『ジョーカー』を鑑賞予定の方は安心して観に行ってくださいね。

 

公式HP http://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/

 

ホアキン・フィニックスの演技に脱帽

主演のホアキン・フィニックスは今回ジョーカー役を演じるにあたり、体重を約23キロ落としたそうですが、本編冒頭からホアキン・フィニックスの演技に圧倒されました。

浮き上がったあばら骨や顔に刻まれたシワ等、明らかに異様さを感じる事が出来ると思います。

本作『ジョーカー』は優しくも孤独な男アーサー・フレックがいかにして悪のカリスマ「ジョーカー」に変貌しいくのかを描いているのですが、その過程はアーサーにとって理不尽な出来事が次から次へと降りかかって来る訳です。

人によっては目をそむけたくなるような出来事に襲われるアーサーを余すとこなくホアキン・フィニックスは演じきっており、アーサーの心の痛みを観る者に伝えていると感じました。

ホアキン・フィニックスの演技は見た目の役作りのみでなく独特なクネクネした動きや笑い声全てが怪演などの評価が多いですが、私個人の感想は「演じている」のではなく「憑依している」の方がしっくりきます。

正直人間ってここまで役作りが出来るのだなとホアキン・フィニックには驚かされました。

 

『ジョーカー』という映画だから

本編の内容は最初にも述べたように非常に濃く、尚且つ攻めたものだと思います。

舞台はゴッサムシティですが近未来的ではなく1980年代風でニューヨーク的な印象。

主人公のアーサー・フレックはコメディカルになることを夢みながら派遣のピエロの仕事をし、年老いた母親と決して裕福ではない生活をしています。

心の病や自らの意思とは無関係に笑い出す発作的なものにも苦しめられている男。

非常にリアリティで実際にありそうな設定で物語が描かれています。

アーサーを襲う理不尽な災難も現実にあってもおかしくないものが多くあり、観る者にとって他人事では済ませられないような恐怖を演出していると感じました。

アーサーが体験した出来事は実際に起きた出来事なのか?またはアーサーの妄想なのかを観る側の判断にゆだねられるような演出もあり、怖さを感じる方もみえるかもしれません。

心優しくも孤独に生きるアーサーは次々と降りかかる理不尽な災難に耐え切れず最後どうなってしまうのか?

みなさんの予想通りになるわけですが、タイトルの通りで最後までアーサーが救われる事はありません。

本作のテーマは悲劇ですから。

映画『ジョーカー』はエンターテインメントとして悲劇を描いた傑作です。

最後に

本作『ジョーカー』は公開直前にニューヨーク市警が警戒態勢をとったり、子供を映画館に連れて行かないように等の警告があったりとなにかと話題になりいました。

アメコミ界の圧倒的な悪のカリスマ「ジョーカー」となれば『ダークナイト』の痛ましい事件の影響もあり、その可能性もゼロではないかもしれません。作品の評価は観る人それぞれ違ってくると思います。

トッド・フィリップス監督も「だから映画でやるんだ!!」と言うようにこの作品『ジョーカー』はホアキン・フィニックの演技は素晴らしく、映像はとても美しく、BGMも素晴らしい芸術作品です。

日本国内ではR15+指定があり、全ての人におすすめ出来る訳ではありませんが多くの方に観て頂きたい作品だと思いました。

メンタル的に不安がある方は避けた方がいいと思います。